最近、駅のロータリーなどで、バス停留所付近に停車している一般車両に関係するトラブルが残念ながら増えております。
お客様の乗り降りについて、路線バスはマイカーと違い、決められた停留所にしか停まることができません。車体が大きいためマイカーのようには小回りがきかず、また運転席からは真後ろの安全を確認することが困難なため、原則として公道上ではバックすることもできません。
このようなバスが、公共交通機関としての役割を十分に果たせるよう、駅前ロータリーをはじめ、バス停留所の周辺については様々な決まりごとがあります。ルールやマナーを守り、路線バスの円滑な運行にご協力をいただきますよう、改めてお願い申し上げます。
バス停留所周辺は「駐停車禁止」です
道路交通法第44条により、バス停留所の前後10mは駐停車禁止となっています。路上駐車だけでなく、停車(人の乗り降りのための短時間の停車や、運転席にドライバーが乗車しているケースも含みます)も禁止されています。
バスが停車中の車両などを避け、進路変更をして安全に停留所に発着するためには、実際に停車する位置の前後にかなり広いスペースが必要になります。駅前ロータリー等に停車される場合は、あらかじめバス停留所周辺は避けて下さい。また、バスの発着に支障がある場合は、乗務員から声をかけさせていただくことがありますので、その際は速やかに車を移動して下さるよう、お願いいたします。
利用エリアを守ってください
千葉ニュータウン中央駅などでは、駅前ロータリーの混乱を避けるため、バス・タクシー用エリアと一般車用エリアが分けられています。
バス・タクシー用エリアでは、一般車が進入しないことを前提に、路線バスやタクシー、送迎バス等の発着場所や走行方法を定め、それぞれの運行の効率化や円滑化を図っています。こうしたエリアに、走行方法が定められていない一般車が進入しますと、運行の妨げになるだけでなく、接触事故や、急ブレーキによる車内事故などの原因にもなります。
事故や危険の防止のため、一般車両ではバス・タクシー用エリアへ乗り入れないよう、お願いいたします。
大変多くの方にご迷惑がかかります
現在、ちばレインボーバスをはじめ、路線バス各社ではバリアフリー法に基づき、低床バスの導入など、乗りやすいバスを目指した取り組みを進めています。
しかし、バス停留所付近に駐停車車両があると、バスが歩道に十分に寄せて停車することができなくなります。こうなりますと、お客様は歩道から一度車道に一段降りて、もう一度バスのステップに昇らなくてはならず、お客様にとっては段差が2段も増えることになってしまいます。これは年配のお客様や、足のご不自由なお客様にとっては大変な負担になります。さらに、車いす用のスロープなど、せっかくのバリアフリー用設備も有効に使うことができなくなってしまいます。
さらにスペースが不足している場合、バスは歩道から大きく離れたり、歩道に向けて斜めに頭を突っ込むような形で停車しなければならなくなりますので、最悪の場合、後ろからくる車の進路をふさいでしまうことになります。このような状況でも、バスはお客様の乗り降りが終わり、所定の発車時刻になるまで動くことができませんので、周辺の交通にも大変なご迷惑をおかけすることになってしまいます。
路線バスの停留所は、ただ単にバスを待つ人のために看板が立っているだけではありません。公共交通機関として、路線バスが安全にお客様を乗り降りさせることができ、また時間通りに運行できるよう時間調整のための停車が認められる場所として、道路管理者や警察などとも協議をした上で定められたエリアです。ですから、場所の選び方ひとつにも、交差点からの距離やカーブや勾配、後方からの見通しなど、実は様々な条件や制約があります。
路線バスが公共交通機関として十分にその役割を果たすために、また、マイカーのように小回りが効かない大きな車体でも周囲に迷惑をかけないように、バス停留所はとても大切な役割を担っています。マイカーをご利用の方にもこの点をご理解いただき、駅前に限らず、バス停留所周辺のルールとマナーを守っていただき、お互いにスムーズに走れますよう、ご協力をよろしくお願い申し上げます。